妊娠の可能性を高めるライフスタイル

ライフスタイルを見直すだけで、妊娠の可能性が高まることもあります。いいライフスタイルはあなたの健康を高め、妊娠をつかさどるホルモンに影響を与えます。チェックリストを使って2人のライフスタイルを確かめましょう。

食生活を見直してみましょう

Eat healthy when trying to conceive

たくさん食べて体重を増やしても妊娠できるわけではありません。バランスのとれた食事で健康的な体重を維持することが大切です。太りすぎでも痩せすぎでも、妊娠しにくいのです1。女性の肥満は月経不順につながり、妊娠しにくくなり、流産のリスクを高めます2。男性の場合は、肥満により精子の質が落ち、パートナーを妊娠させにくくなることがあります2

まずは新鮮な果物と野菜の量を増やしましょう。果物と野菜の量を増やすと、

  • 総摂取カロリーが減ります。
  • 身体に必要な栄養素の摂取量が増えます。
体重は多すぎても少なすぎてもよくありません。2000人以上の妊娠女性を対象とした大規模臨床研究で、体重が正常範囲内の女性と比較した場合、妊娠成立までにかかった時間は、痩せた女性(BMI<19 kg/m2)では4倍、太った女性(BMI>25 kg/m2)では2倍長くなることがわかりました1

減量のために食事療法をしている場合には、厳しくならないようにしてください。減量は立派な目標ですが、厳しすぎる食事療法は妊娠を妨げる恐れがあります。食欲不振や過食症あるいは食べずにはいられないような摂食障害がある時は、生殖医療専門医にそのことを伝えて下さい。これらの摂食障害は、妊娠の可能性を低下させます。
 

カフェインは適度であれば問題はありませんが、1日7杯以上もコーヒーやお茶を飲む場合、妊娠に影響することがあります1

最後に、薬の服用は控えめにしましょう。適度な飲酒については不明な点も多いのですが、大量であれば男性1、女性3のいずれにも好ましくない影響があることが明らかにされています。女性の喫煙は大きな影響があります4。赤ちゃんが欲しい女性は禁煙しましょう5

深呼吸して、リラックスしましょう

赤ちゃんが欲しいのになかなかできない時に、プレッシャーを感じたりいらいらしたりするのは当然です。プレッシャーに押しつぶされないうちに気持ちを切り替えましょう。ストレスは排卵に影響を与えますし6、もちろん性欲にも影響を与えます。ストレスがあると身体が十分に栄養を吸収できず、免疫系が弱まり、胃痛やうつ状態を起こします。ただ、ごく一部の例を除いては、ストレスが妊娠しやすさに影響を与えるかどうか、まだよくわかっていません6

まず次のようなことを始めてみましょう。リラックスするために努力するなんて変じゃない?と思われるかもしれませんが、まずはリラックスする方法を知ることが必要です。

  • ヨガ、太極拳を始める、瞑想してみるなどして精神を見つめてみましょう。深呼吸する、生き生きとしている姿を想像するなど、具体的なリラックスの方法もあります。医師に相談してみてください。
  • 外へ出ましょう。ガーデニング、映画、新しいカフェで友だちとおしゃべりをするなど、何をするかはそれほど問題ではありません。日常から少し離れて、新しいことをしてみることが大切です。
  • 日記をつけましょう。考えたこと、感じたことを文字にすると、ストレスを感じる理由もわかります。
  • 積極的に何かに参加しましょう。教室に参加したりボランティアを始めたり。自分の問題をしばらくの間でも忘れるためには他の人の手助けをするのが一番です。
  • 自分の意見を言葉にしてみましょう。自分をほめて、緊張を和らげましょう。
赤ちゃんができない、どうしようという悩みが頭から離れない、くよくよしてしまう、パートナーに八つ当たりしてしまう、といった状態が何週間も続く場合は、カウンセラーの門をたたくことをお勧めします。医師に、カウンセリングを受けたい、と相談してみましょう。

夜はぐっすり休みましょう

睡眠だけでストレスは解消されませんが、睡眠不足は明らかに悪い作用を及ぼします。心地よい眠りのためにはいくつかヒントがあります。

1. 眠る前にお酒を飲まないこと。かえって睡眠が浅くなってしまいます。
2. ベッドでしていいのは性交渉と眠ることだけ。テレビや食事、読書、お金の計算は別の場所でしましょう。
3. 規則的に運動しましょう。ただし、就寝前の3時間は避けましょう。
4. 毎日決まった時間に就寝しましょう。
5. 就寝前に重たい食事をとるのはやめましょう。
6. カフェインは刺激物なのでほどほどにしましょう。特に就寝前の3時間は避けましょう。
7. ベッドに入っても15分以上寝られない場合には、起き上がって何かリラックスできるようなことをしましょう。眠くなったらベッドに入ればいいのです。
8. 寝る前の飲み物は控えめにしましょう。
9. リラックスできるような行為を考えましょう。例えばゆったりした音楽を聴きながらお風呂に入るなどがよいでしょう。
10. 眠れないことを悩まないようにしましょう。悩んでもいいことはありません。寝室に時計を置かないようにとアドバイスする専門家もいます。 

赤ちゃんができない、どうしようという悩みが頭から離れない、くよくよしてしまう、パートナーに八つ当たりしてしまう、といった状態が何週間も続く場合は、カウンセラーの門をたたくことをお勧めします。医師に、カウンセリングを受けたい、と相談してみましょう。

フィットネスを始める

Staying healthy for fertility

運動は体脂肪を減らし、性欲を高めるので、妊娠の成功に役立ちます。定期的に行う適度な運動によって体脂肪が減少し、女性に大きな変化、またよい結果をもたらします。

運動なんてごぶさただわ、というあなたも今が始めるチャンスです。1日30分の適度な運動を週4~5回行うと、体脂肪を減らせます。ただしやりすぎは禁物。激しすぎる運動は妊娠しやすさを損ないます。

さあ始めましょう

運動するのはおっくうですか? いつもの習慣を少し変えれば、立派な運動になります。例えばこんなふうに。

  • いつもは車で行く場所へ、徒歩や自転車で行ってみましょう。
  • 車やバスの場合、目的の場所から少し離れたところで降りて、そこから歩いてみましょう。
  • エレベーターではなく階段を使いましょう。
  • ダンスをしてみましょう。
  • お昼休みに散歩してみましょう。

ハイキングはいかが?

Staying healthy for fertility

フィットネスといっても、高いお金を払ってスポーツクラブに行く必要はありません。手軽なフィットネスにはウォーキングが一番です。ウォーキングはエンドルフィンなど、脳からの化学物質の分泌を増やし、気持ちを明るくします。

まずは始めてみること、そしてしばらく続けてみることが大切です。徐々に歩く速度を速めたり、遠くへ足を延ばしたりしてみましょう。

ベッドでの習慣を考えてみましょう

  • 一般的にいえば、性交渉の体位は妊娠とは関係がありません4。何か問題がありそうだと思う場合は、アドバイスを受けるといいかもしれません。
  • 目的は、精液をできるだけ子宮内に送り届けることです。重力に逆らうような体位(座位や立位など)は避けたほうがいいでしょう。
市販されている水性の潤滑剤や油性のゼリーは精子の運動能に影響を与えるとされています。使いたい場合には、妊娠に影響しないタイプについて医師に相談しましょう。

女性がオーガズムに達すると子宮が収縮し、精子が子宮頸部に入りやすくなるという研究もあります。しかしオーガズムと妊娠の関係についてはまだ確認されていません4

少しでも可能性を高めようと、性交渉の方法を工夫するカップルもいます。パートナーとの関係が深まり、ストレス解消になるなら、こうした工夫もいいでしょう。大切なことは、2人の絆が深まることです。性交渉が義務になってしまっては台無しです。

おわりに

思うようにいかなくても、相手や自分のせいにしないで。妊娠の成立にはさまざまな要因が複雑に絡み合っています。あなた自身やパートナーを責めてはいけません。今していることは妊娠の可能性を高めること、自分たちの健康にとっていいことなのだと考えてください。

 

1. Hassan MA, Killick SR. Negative lifestyle is associated with a significant reduction in fecundity. Fertil Steril 2004 ;81; 384-92. 2. Obesity and reproduction: and educational bulletin. Fertil Steril 2008; 90:S21-9. 3. Eggert J et al. Effects of alcohol consumption on female fertility during an 18-year period. Fertil Steril 2004;81:379-383. 4. Optimizing Natural Fertility. Fertil Steril 2008; 90:S1-6. 5. Bolumar F et al. Smoking Reduces Fecundity: A European Multicenter Study on Infertility and Subfecundity. Am J Epidemiol 1996; 143:578-87. 6. Stress and Infertility. Patient Fact Sheet. ASRM 2008; http://www.asrm.org/Patients/FactSheets/Stress-Fact.pdf